【完全版】初めて行う「墓石クリーニング」

「墓石クリーニング」・・・あまり聞いたことがない言葉ですよね。
そもそも「墓石をクリーニングする」ってどんなものなのか、想像もしにくいと思います。

先祖供養について考えたり、お墓参りに行ったとき、こんな風に思ったことはありませんか?

●遠方だから自分で掃除する時間が取れない!
●法事の前にきれいにしたいなぁ
●納骨するとき、きれいなお墓に入れてあげたい。
●墓石についた白カビや水垢をどれだけ擦っても全然落ちない!

墓石は、いつも直射日光や雨風にさらされる悪条件立地にあります。
10年・20年・50年・・・という長い歳月の間に汚れもどんどん蓄積されます。
そして石自体の劣化も進んでいきます。
年に数回だけのお墓参りで簡単に掃除しただけではなかなか綺麗になりません。

ご先祖様への感謝の気持ちを伝えるためにも、お墓はいつも綺麗にしておきたいものですね。
お墓を建てた際には100万円以上のお金をかけているはずです。
いつまでも大切に管理していきたいものです。

この章では「墓石クリーニング」について50件/年 以上の墓石クリーニングを行い続ける
プロの私(ご縁道/淺野)が「墓石クリーニング」とは?
どんな内容か、何をするのか、いくらかかるかなど詳しく説明していきますね。

そもそも墓石クリーニングとは?

墓石クリーニングの主な目的は墓石そのものをきれいにすることです。
また、お墓全体をメンテナンスして美しくすることも指してます。

墓石の本体である石塔やその周りを囲っている外柵は石材でできています。
墓石の表面には、砂ほこりや土が付着するだけでなく、鳥の糞がついたり、雨で水垢ができたり、
湿気の多い山間部などでは苔やカビが発生する事もあります。
このような汚れを磨いて除去し、きれいにするのが墓石クリーニングの中心となる作業です。

墓石クリーニングはそもそも、石材店が戒名を彫るために工場へ墓石を運んだついでに磨くという、
付帯サービスとして受けることができました。
今ではお墓参り代行などの専門業者が登場し、石材店以外の業者が墓石クリーニングを行うようにもなりました。
こうして徐々に墓石クリーニングが認知されるようになってきました。
そのため、墓石クリーニングの方法は業者によって様々です。
どんな施工方法で墓石をクリーニングするのか、業者を選ぶときに確認しておくとよいです。

主な施工方法は、

●高圧洗浄機を使って、水圧で汚れを落とす。
●スクレーパー(ヘラのようなもの)を使って、汚れを削り落とす。
●薬品を使う
●研磨石を使って磨く
が、挙げられます。
他には、工具を使うのか、手磨きするのかも選定の基準にするとよいですね。

墓石クリーニングには墓石を磨く以外にもお墓全体の掃除・メンテナンスがあります。
●雑草取りや樹木の剪定
●玉砂利の入れ替え
●戒名など彫刻部分の色入れ
●墓石の目地(つなぎ目)の補修
があります。
墓石クリーニングをして墓石をいつまでも良好な状態で保てるようにメンテナンスをします。
いつもきれいな状態を保つと墓石の寿命を延ばすことにもつながります。
このようにお墓全体が美しく、できる限り建てたときのような姿に整えるのが墓石クリーニングの特徴です。
墓石の管理を任されるようになったときから、気にかけておきたいですね。

 

墓石クリーニングの費用や相場

墓石クリーニングの内容がわかったところで、次に気になるのが費用ですね。
先ほども触れましたが、石材店がお墓を一度解体して持ち帰るか、
墓地で作業をするかで墓石クリーニングの費用は大きく異なります。

当然のことながら、一度解体して持ち帰るには手間がかかるので、その分費用も高くなります。
あまり現実的ではありませんので、ここでは墓地で作業する場合の費用を詳しく説明していきますね。
現地での作業で、充分なクリーニングができますよ。

墓石クリーニングの中心となる作業は「墓石を磨く」です。
墓石を磨いてきれいにするには、いくらの費用がかかるのか。
その費用はどのように算出されるのか、具体的にみていきましょう。

費用が決まるの要因は大きくわけて2つあります。

まず1つは、どの部分まで磨くか。
もう1つは、「建立年数」と墓石の「大きさ」や外柵の「広さ」。
この2つで金額が決まります。

墓地を見渡してみると形や敷地の広さなど様々です。
まずは、お墓にはどんな部分があるのか細かくみていきますね。

墓石クリーニングで磨く対象なのは下記の部分があります。
●墓石の本体
●お墓の周りを囲っている外柵
●戒名が彫ってある墓誌
●墓地内の灯篭

まず、該当する部分は何があるか明確にして、どの部分まで磨きたいか決めます。
ほとんどの場合、墓石の本体と墓誌を磨くことが多いです。

どの部分を磨くか決まったら、次は、「建立年数」と墓石の「大きさ」や外柵の「広さ」をみていきます。
「建立年数」や「大きさ」は、普段、気にすることがないので知らない人がほとんどです。
自分が建てたのではなく、代々受け継がれてきたお墓ならなおさらです。
これらは簡単に知ることができますので、この機会にお墓を調べてみてください。

《建立年数》
建立年数は墓石に後ろ側(背面)に建立者の名と共に彫られいる場合が多いです。
「昭和○年○月 建立」とあれば、今から○年前に建てられたことがわかります。
(※写真を入れる)
建立から20年以下の場合、それほど頑固な汚れがついていませんので、費用は比較的安くなります。
逆に40年・50年経っていると汚れがひどい場合がありますので、費用は高くなります。

いつもお参りするお墓は「誰がいつ建てたか」を知ると、感謝の気持ちがより湧いてきますよ。

《墓石の大きさ》
墓石の大きさは、墓石本体の一番上の「竿石」で決まります。竿石とは「南無阿弥陀仏」や「○○家之墓」と彫られた石です。
竿石の横幅で、8寸、9寸、尺・・・という大きさになります。
1寸=3.03cm、1尺=30cmなので、約24cmなら8寸、約27cmなら9寸、約30cmなら1尺、という訳です。

一般的によくあるお墓は8寸が多いですよ。今度、お墓参りにはメジャーを持って行き、竿石の横幅を測ってみてください。
どれも同じに見えていた墓石が違って見えるかもしれません。

●墓石の本体
一般的に1基2万~5万円が相場です。

●お墓の周りを囲っている外柵
外柵は1㎡5,000円~と決めている場合が多いので、外柵の面積に比例して金額が変わります。
3万円~20万円が相場です。

●戒名が彫ってある墓誌
墓誌は5,000円くらいが相場になります。

●墓地内の灯篭
墓誌は8,000円~が相場になります。

さらにオプションで、浸透性吸水防止コーティングがあります。

墓石の浸透性吸水防止コーティング

撥水コーティングとは、墓石をクリーニングした後、汚れを付きにくくするために行います。
常に紫外線や風雨にされされている墓石は、きれいにクリーニングしたとしても、またすぐに汚れてしまいます。
撥水コーディングすることで汚れが付きにくくし、光沢のあるきれいな状態を保つことができます。
普段のお掃除も水洗いだけで汚れが落ちるのでぐっと楽になります。
費用は3万円くらいからで、墓石の大きさによって価格が変動します。
撥水コーティングは施工を依頼される方が多いオプションです

外柵の浸透性吸水防止コーティング

外柵をクリーニングした後も浸透性吸水防止コーティングを施すことができます。
墓石同様に汚れの付着を防ぐためのものです。
1㎡5,000円~になります。こちらも外柵の面積よって価格は変動します。

せっかくきれいに墓石をクリーニングしてもすぐに汚れてしまっては意味がありません。
撥水コーティングをすることで、長くきれいな状態を保つことができます。
いつまでもお墓をきれいなな状態に保ちたいと考えている人におすすめの施工です
カビなどが発生しないように、撥水コーティングをしてお墓を守りましょう。

以上が墓石クリーニングの中心となる作業「墓石を磨く」の各部分の相場になります。
依頼する業者によってはもう少し細かくわけることもありますので、
一概には言えませんが、だいたいは上記のポイントを重視して費用を決めている場合がほとんどだと思われます。