【墓じまい】を検討中の人が読むとわかる、あれこれ。

この先、お墓を守ってくれる継承者がいなくて、墓じまいや改葬を選択する方が増えています。しかし、墓じまいや改葬とはどのようなものかがわからないという方も多いようですので、墓じまいや改葬とはどのようなものか書きますね。

墓じまいの全体感

  • 墓じまいは何をするのか

  • 墓じまいの流れ

  • 墓じまいに必要な費用はどのくらいか

  • 墓じまい後のご遺骨の供養方法

  • 墓じまいの手続き代行
  • 墓じまいの際に起こりがちなトラブル

  • 墓じまいの際に注意すべき点

 

少しでもお墓のことでお悩みの皆さんのお力になれれば幸いです。ぜひ最後までお読みください。実際に墓じまいを検討されている方は、お気軽にご相談くださいね。

墓じまい

墓じまいとは

「墓を取り壊す」ことしか想像がつかないという方もおられるので、具体的に何をするのかご説明いたします。

遺骨の引っ越しをする

墓じまいを一言で説明すれば、遺骨の引っ越し」をすることです。
やることはお墓の中に納骨してあるご遺骨を取り出し、墓石を撤去して更地にし墓地の管理者に敷地を返還します。
そこで一番大事なのが取り出したご遺骨をどこに納めるかという点です。墓じまいした後、ご遺骨をどのように保管するかは3つの手段があります。

①新しく建てたお墓(転居先など)や永代供養墓への改葬

②自然への散骨(海、山など)

③自宅供養

が挙げられます。

墓じまいが増えている理由

墓じまいは近年になって急増していますが、その理由はどこにあるのでしょうか?墓じまいが増えている背景には、現代におけるライフスタイルの劇的な変化が挙げられます。

①若い方の都市部への流出という変化です。
若い方は進学や就職などをきっかけに、都会や他の地方へ出るという場合が多いです。一度故郷を出た若い方は、移住先で家庭を作る場合も多いことから、将来的に地元に戻ってくる可能性が低くなります。

②それまでお墓を守ってきた方が高齢によってお墓参りに行くことが困難という理由も墓じまいが増えている理由です。特にお墓が遠方にあるという場合は、ご自宅から比較的近いところに新しいお墓を建てて改葬することに合わせて、それまでのお墓を閉じるというやり方がとられます。

③さらには、少子高齢化の影響で実際にお子さんがいないため、将来的にご自身が亡くなった後、誰もお墓を継いでくれる方がいないことから、未然に墓じまいする方も多いです。

墓じまいをしないと無縁墓になる

もし、将来的にお墓を継いでくれる方がいないにもかかわらず、墓じまいをしないと一体どういうことになるのでしょうか?

墓守をする人がいなくなると、それまで守ってきたお墓は無縁墓となってしまいます。具体的には、お墓を維持するために墓地や霊園に毎年支払う管理費の支払いが止まったり、お墓参りや墓前の法要がされなくなる状態によって発生することです。

無縁墓とみなされたお墓は、1年ほど墓地や霊園の管理者側で縁故者を探すことになりますが、もし縁故者が見つからない場合は最終的に強制撤去されてしまいます。

そして、中に納骨してあった故人のご遺骨は合祀墓で供養されます。一度合祀されたご遺骨は後からの取り出しが不可能となってしまいます。なので、後継者は誰なのかを明確にして、しっかり継承しましょう。また、継承者がいない場合は墓じまいを選択し無縁墓にならないようにします。

墓じまいの流れ

もしご自身で墓じまいを行うことになったら、どのような流れで準備すれば良いのでしょうか?ここでは、墓じまいの流れどのような手順で行われるのかについて、詳しくご紹介していきます。

親族の同意を得る

墓じまいの準備や手続きを行うにあたり一番最初に行うべきことが、ご親族の同意を得ることです。実は墓じまいの準備や手続きの中でも、ご親族の同意を得ることが非常に重要といえます。

というのは、同意を得ずに墓じまいをした結果、後になってから親族同士のトラブルに発展するケースが数多くあるためです。特にご親族の中でも「お墓は何としても代々守っていくべき」という昔ながらの考え方を持つ方がいるとその方の説得も大切となります。
親族同士のわだかまりを防ぐためにも、墓じまいをする際は時間的に余裕を持って事前にご親族に相談し、同意を得たうえで行うことが無難です。

墓地の管理者に伝える

ご親族の同意を得るのと並行して、お墓があるお寺や霊園の墓地の管理者にも事前に墓じまいの意思を伝えることが大切です。

特に、お墓がある墓地を管理している菩提寺がある場合、そのお寺の檀家を辞めることになるため、墓じまいすることを決めるに至った事情を誠実に伝えましょう。事情の説明が不十分であったことから、法外な金額の離檀料(数百万円や数千万円単位)を請求されて問題となる例も増えています。

このようなトラブルに巻き込まれないようにするためにも、管理者に対して墓じまいをする旨や事情はきちんと話しておくことが大切です。

墓じまい後の遺骨の供養方法を決める

お墓から取り出したご遺骨を今後どこに移転するか供養方法を決める必要があります。墓じまい後の遺骨の供養方法には、以下のようなものが挙げられます。ご自分の気持ちやご親族ともよく相談したうえで、以下から適切なものを選ぶと良いでしょう。

永代供養墓

永代供養墓は、いわゆる合祀墓の一種で故人のご遺骨の管理や供養をすべて墓地・霊園の管理者が引き受けてくれるようなお墓のことです。近年、お墓の継承者がいないという方や頻繁にお墓参りができないという方を中心に多く利用されてきています。

故人の供養を管理者側にすべて任せることができるだけではなく、お墓を用意するための費用負担を大幅に軽くしたり、メンテナンスが必要なかったりするといった点がメリットです。一方で、合祀墓の場合は一度納骨したご遺骨は取り出すことができないというデメリットもあります。

納骨堂

納骨堂とは、故人のご遺骨を屋内で保管しておくためのスペースのことです。近年では都市部を中心に需要が増えてきており、保管だけではなく供養も可能な納骨堂も増えてきています。

屋内にあることや交通機関の駅などから近いことなどから、日時や環境に左右されることなくお墓参りができるという点がメリットです。ただし、施設のメンテナンスの時に利用できないことや、保管期限(故人の三十三回忌までなど)があることがデメリットといえます。

樹木葬

樹木葬永代供養墓や納骨堂とともに利用が増えてきている供養方法です。具体的には、公園墓地の専用スペースや里山の一部を構成する専用墓地に用意された木を墓標とし、その根元にご遺骨を納骨するというやり方がとられています。

将来的にお墓を継ぐ方がいないという方や自然の中で眠りたいという方を中心に利用されており、費用も普通にお墓を建てる場合に比べるとかなり安いという点がメリットです。一方で、普通のお墓に比べるとまだまだ知名度が低いことから、ご親族の同意を取り付けておくことが必要というデメリットもあります。

改葬

改葬とは、別の墓地・霊園に建てたお墓にご遺骨を移して納骨することを指します。永代供養墓や納骨堂、樹木葬に比べれば、半永久的かつ他の故人と共有する必要のない墓じまい後の供養方法といえるでしょう。
しかし、言い換えれば別のお墓を別の場所に新たに建てるということであるため、お墓用の区画の手配の手間や費用が必要という点がデメリットであるといえます。

改葬許可の手続きを行う

ご親族や墓地・霊園の管理者の同意を得て、新たな供養方法が決まれば本格的な手続きを行うことになります。最初に行うべき手続きは、役所から改葬許可を取るというものです。

この改葬許可の申請手続きには、以下に挙げる3点の書類が必要となります。

埋葬証明書

埋葬証明書とは、文字通り現在あるお墓やその中に納骨されているご遺骨について証明するための書類で、現在のお墓がある墓地・霊園の管理者に発行してもらいます。

書式は自由ですが、主な項目はお墓の現在地の住所や納骨されている故人の氏名・没年齢、墓地・霊園の管理者の氏名・住所、お墓の継承者の氏名などです。

受け入れ証明書

受け入れ証明書は、改葬先(ご遺骨の移転先)となるお墓(永代供養墓も含む)がある墓地・霊園の管理者が発行する書類です。
申請用紙は墓地・霊園の管理事務所にあるため、そこに必要事項を明記して実印を押捺の上、発行手数料を添えて申請することで発行してもらうことができます。

発行された受け入れ証明書には、改葬を申請した者の氏名・住所や、ご遺骨の氏名、改葬先の墓地・霊園の名称と管理者の氏名・住所が記載されているのが一般的です。

改葬許可申請書

改葬許可申請書は、改葬許可の手続きを行う市区町村役所(現在のお墓がある地域にある)の担当窓口に備え付けられています。

この申請書に必要事項を記入と実印を押捺したうえで、すでに発行してもらった埋葬証明書と受け入れ証明書を添えて申請しましょう。このほか、改葬許可の申請には市区町村によって発行手数料がかかることもあります。

申請が終わると、数日ほどで改葬許可証が発行されますので、役所の方から伝えられた期日以降に忘れずに受け取りに行くようにしましょう。

石材店を決める

現在のお墓がある墓地・霊園や改葬先でお墓を建てる場合、提携している石材店(指定石材店)がある場合があります。このため、石材店を決める際は事前にお墓の管理者に提携している石材店がないかご確認をお願いします

もし、提携している石材店がなく自由に決めることができるなら、弊社にお任せください。まずは現地調査を行いお見積りをいたします。もし、複数の石材店から相見積もりを取られているのであれば法外な額の見積もりがないかなど、余分な費用がかからないようにご相談させていただきます。

墓じまいの費用は不明確で業者によってバラバラなお見積りが多いです。

  • この金額は妥当なのかなぁ。
  • 安く感じるけど、肝心なところが抜け落ちてないか不安・・・

など、わかりずらく不安に感じることがあります。実際のところ、墓じまいは決まった金額がありません。なぜかというと、墓石の形、敷地面積、立地条件、施工方法など同じ条件ではないからです。

弊社では現地調査を行い、お墓の条件にあった金額をご提示しております。墓じまいのお見積りでご不安なお気持ちでしたら、お気軽にご相談くださいね。

墓じまい

墓じまいを行う

ご親族や管理者からの同意の取り付けや改葬許可の申請し、弊社とご契約が済んだら事前準備が終わりです。いよいよ墓じまい自体を行う段階となります。
墓じまいの手順としては、お墓から遺骨を取り出すための閉眼法要を行い、お墓を解体・撤去していくという流れです。
以下ではそれぞれの流れの具体的な内容について見ていきましょう。

閉眼法要

閉眼法要とは、お墓に宿っている故人の魂を抜いて、お墓を元の普通の石碑の状態に戻すための儀式のことです。ご遺骨の取り出しやお墓自体の撤去を行うには必ず行います。

閉眼法要は主に僧侶の方による読経とお参り、実際のご遺骨の取り出しです。閉眼法要の準備の際にはまず菩提寺などの僧侶の方への依頼が不可欠です。実際、ご遺骨の取り出し作業はご自身で行われる方もいらっしゃいますが、弊社が代行することもできます。カロート(納骨室)のふたが重いお墓もありますのでご遺骨の取り出しはご自身でやると汚れたりけがをしたりすることにもつながりますので、ご依頼いただくと無難です。カロート(納骨室)のふたを簡単に開くことのできるタイプのお墓は、ご遺骨の取り出し作業を依頼しなくてもよいです。

お墓の撤去

閉眼法要とご遺骨の取り出しが終われば、お墓を撤去する工事の段階となります。撤去工事やその後の更地にする工事も弊社が行いますので閉眼法要の際の作業と合わせてご依頼ください

お墓の解体が済み、それまでお墓が建っていた敷地を更地にして管理者に返すところまで終われば、墓じまいは完了です。

墓じまいにかかる費用

墓じまいを行うことを検討している方にとって非常に気になるポイントが、墓じまいに必要な費用の金額です。
墓じまいをするにはまとまった金額が必要ですので気になるのは当然です。

ここでは、墓じまいにかかる費用について詳しくご説明いたします。墓じまいの費用の内訳として以下のようなものが挙げられます。

お墓の撤去工事費

弊社で行うお墓の撤去工事の費用です。撤去工事の費用は、お墓の大きさ、外柵や土台、墓石の量、立地条件、作業の方法、必要な機材によって変わってきます。

最も基本となるのが、敷地面積1平方メートルあたり10万円~20万円という相場で、このほかに機械による作業が可能であれば業者が決める基本料金に収まる場合が多いです。ただし、手作業が必要な場合や作業のしにくい立地の場合は追加料金が発生することもあります。

 

墓じまい  墓じまい

 

閉眼法要のお布施

閉眼法要は僧侶の方の読経が不可欠であることから、読経していただいた謝礼であるお布施も必要です。

お布施は労働対価ではなくあくまでもお礼であるため、決められた金額はありません。目安となる金額として数千円~5万円が相場とされています。
霊園など菩提寺から離れた場所で墓じまいを行う場合は、別途僧侶の方の交通費にあたるお車代(5千円から1万円が相場)もお渡しすることもあるようです。

お布施の金額の目安は地域や宗派によってさまざまですので、どうしてもわからない場合は事前にご近所の方や菩提寺の僧侶の方に相談すると良いです。

離檀料

墓じまいをするお墓が寺院墓地にある場合は、管理しているお寺の檀家を辞めるために離檀料を支払う場合があります。

離檀料がいくらであるかについては寺院によってさまざまですが、3万円~30万円が一般的なようです。しかし、近年多い離檀料トラブルで聞かれるような数百万円といった金額は法外もあるようです。

寺院によっては離檀料にまつわる規定を定めているところもありますので規定に基づいて離檀料の手続きを進めていくと良いと思います。

移転先の墓地へのお布施

別の墓地に新しくお墓を建ててご遺骨を移転する場合は、移転先のお墓の開眼法要や納骨法要を行うためのお布施も必要です。

移転元のお墓の閉眼法要と同様に決められた金額はありませんが、目安となる金額は10万円~20万円ほどだそうです。移転先が納骨堂の場合も納骨法要を行うという点では同じですので、3万円~5万円ほどのお布施が必要です。

ご遺骨の取り出し作業の費用

閉眼法要で僧侶の方の読経や参列者によるお参りが終わった後で、お墓に納骨してある故人のご遺骨を取り出す段階があります。弊社にご依頼いただいた場合は、撤去工事費を含めてご遺骨の取り出し作業の費用のお見積りをご提示させていただきます。

墓じまいの手続きの代行を依頼できる

代行サービスというものがさまざまな分野で増えてきている現在ですが、墓じまいもお手続きの代行サービスがあります。

墓じまいの代行とは

墓じまいの代行サービスとは、具体的には墓じまいの際に必要な書類手続きを代行するサービスです。墓じまいの際には役所への届け出や移転元・移転先の墓地・霊園の管理者との手続き、石材店の手配などさまざまな依頼や書類のやり取りが必要です。

墓じまいを行う方はすべてをご自身で準備しなければいけないことも多く、なるべく負担を軽くしたいと感じます。近年では墓じまいの件数が増えているので、墓じまいの手続きを代行するサービスも行っています。

墓じまいの代行にかかる費用

では、墓じまいの代行サービスにかかる費用はどのくらいが相場となってくるのでしょうか?代行を依頼する内容にもよりますが、一般的には10万円~30万円ほどが相場とされています。弊社では、撤去工事費を含めてお見積りをいたしますので、ご検討の際、お気軽にご相談ください。

墓じまいで生じるトラブル

墓じまいは近年、増加傾向にあり、どうしてもお墓を継いでくれる方がいない場合の解決手段です。しかし、今までのような代々お墓を守っていくやり方とは真逆な考えなので、トラブルになる場合も多いようです。ここでは墓じまいで生じるトラブルについて紹介していきます。

親族とのトラブル

墓じまいにまつわるトラブルとして、最初に挙げられるのがご親族とのトラブルです。先ほどにもご紹介しましたが、親族に相談することなく墓じまいをしたため、後でトラブルになるケース多く見られます。

墓じまいは昔ながらの価値観を持っている方からすれば受け入れられない場合が多いです。ご親族との人間関係が壊れてしまわないように、墓じまいを検討する際には事前にご親族とよく相談しておくことが大切といえます。

菩提寺とのトラブル

墓じまいにまつわるトラブルには、菩提寺との間に起こるトラブルも多く見られます。特に目立つのが、明らかに高額な離檀料を請求される場合で、最近ではテレビやインターネットのニュースでもよく取りざたされるようになってきている問題です。

先ほども見たように、離檀料の一般的な相場は高くても30万円程度とされています。しかし、トラブルになる際に請求されるのは何百万円といった極めて大きな金額です。

菩提寺とのトラブルに関しては、時間に余裕を持って事前に墓じまいのことを相談していれば避けられます。

石材店とのトラブル

ほかにも、石材店とトラブルになる場合も挙げられます。石材店については自由に選ぶことができる場合もあれば、管理者が石材店を指定している場合もあります。

石材店が指定されている場合は、墓石を撤去する際に指定された石材店しか利用することができないことから、高額な墓石撤去費用を請求されるため、問題になることが多いです。
指定されている石材店からすればお得意先が1つなくなるので、最後に高額の費用を請求するということがあるようです。

この場合も、事前にきちんと墓じまいをする事情を話すことが大切です。

墓じまいをする際の注意点

最後に、墓じまいをする際に気を付けるべき注意点についてご紹介していきます。

墓じまいを検討している方は、以下に挙げる注意点を良く理解したうえで考えていくと良いと思います。

  • 墓じまいをすることを、事前にご親族とよく相談して同意を取り付けてから動く。

  • 菩提寺や石材店にも墓じまいの経緯や事情をきちんと話して了解を得るようにする。

  • 墓じまいの際には、お墓から取り出したご遺骨を今後どのように供養していくかや移転先をどうするか決めてから行うこと。

以上のような点に注意して、墓じまいのトラブルを未然に防いでください。墓じまいの際には独断で行ったり、綿密な検討をしない状態で話を進めたりすることは避けた方がよいです。

弊社では墓じまいの相談を承っております。終活カウンセラーが在籍しており、墓じまいついてしっかりとサポートいたします。
墓じまい・改葬をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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