墓じまいの費用は、いくらかかるのか?
墓じまいを検討するときに1番に気になるのが費用です。はっきり明確な金額がお伝えできればいいのですが、それがなかなか難しい。というのもお墓の形、大きさ、立地がすべて異なるので一概に「15万円になります」とお伝えできないので、不透明になりやすいのが現実問題です。では、どんな項目が金額に関係してくるのか具体的に示していきたいと思います。
墓じまいと永代供養は別もの
”墓じまいをする”ということは、「墓石を撤去さえすれば、遺骨はお寺が引き取ってくれる」と思っている方もいらっしゃいます。実は「墓石を撤去する」は墓じまいの1部でしかありません。
墓じまいで墓石を撤去するときにまず重要視されているのは「墓じまいした後、その遺骨はどうする?どこに納める?」ということです。
極端な話ですが火葬して収骨した遺骨をみんなが自由に散骨したり、埋めたりしたら、、、
「こんなところから人の骨らしきものを発見した!」という通報が頻繁におこり、「これは散骨したのか?それともここで事件が起きたのか?」ということになってしまいますね。
なので、墓じまいで墓石を撤去するときは、墓石解体の前に市役所で書類の申請を行うところから始まります。墓じまいの手順はこちらに記載していますので、一度ご覧ください。
①各種書類手続き
墓地がある自治体の役所へ行き、改葬許可申請証を発行してもらいます。既存のお墓から遺骨を取り出すときと新しく納骨するときに必要になります。
- 受入証明書・・・お墓・遺骨を移設する場合、新しいお墓の管理者(お寺・霊園等)で発行。
- 埋葬証明書・・・現在のお墓の管理者(お寺・霊園)で発行。
- 改葬許可申請書・・・現在のお墓がある市町村役場に上記の証明証を提出し、発行された改葬許可証を新しいお墓の管理者へ提出。
改葬許可申請証について、さらに詳しく見ていきましょう。名古屋市を例してみますね。八事霊園や平和公園など、名古屋市にある墓地で墓じまいする際には必要になります。
3.改葬許可申請書
改葬許可申請書は、改葬許可の手続きを行う市区町村役所(現在のお墓がある地域にある)の担当窓口に備え付けられています。名古屋市のようにサイトからダウンロードできる場合もあります。この申請書に必要事項を記入と実印を押捺したうえで、すでに発行してもらった埋葬証明書と受入れ証明書を添えて申請します。改葬許可の申請には市区町村によって、発行手数料がかかります。申請が終わると、数日ほどで改葬許可証が発行されます。
例)名古屋市のお手続き方法
参照元:https://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/24-2-12-13-0-0-0-0-0-0.html
名古屋市では名古屋市保健所長に改葬許可申請を行い、許可を受けることが必要です。許可までの手順をみていきましょう。
1.改葬許可申請書の入手しよう
まずは、改葬許可申請書を入手します。名古屋市保健所健康部環境薬務課、又は各区保健センターの窓口で入手できますが、サイトからもダウンロードできますので、わざわざ出向く必要はありません。下記に添付しますのでお使いください。
申請者は、現在遺骨が納められている墓地・納骨堂の使用者となります。墓地・納骨堂の使用者以外の方が改葬許可申請書を提出する場合は委任状が必要になりますのでご注意ください。
記入例の下部に注意事項がありますので、こちらもよくお読みください。
※許可証は郵送しますので、返信用封筒(切手を貼り宛先を記入したもの)を同封してください。
※遺骨1 体につき、申請書 1 通が必要になります。(何体あるか分からない場合は1通でよい場合があります)
※やむを得ない事情により分からない項目がある場合は、「不詳」と記入してください。
※申請手数料は無料です。
改葬許可申請書記入例 ←書き方。
改葬許可申請書 (PDF形式, 35.52KB) ←ダウンロードはこちら。
2.墓地・納骨堂の管理者の証明をもらおう
申請書をダウンロードし各項目を記入したら、次は、現在遺骨が納められている墓地・納骨堂の管理者に遺骨が納められている事実を証明してもらいましょう。改葬許可申請書に記名押印するところがありますので、お寺や墓地管理事務所で手続きを行います。
3.改葬許可申請書の提出しよう
現在、遺骨が納められている墓地・納骨堂の所在する区の保健センターの窓口に改葬許可申請書を提出するで、申請することもできますが、郵送でもOKです!郵送の方が行く手間が省けるのでおすすめです。現在は、「※新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、郵送による手続きにご協力いただきますようお願いいたします。」と記載されているので、郵送が望ましいですね。申請後、改葬許可証が郵送で送られてくるので、切手を貼った返信用封筒の同封を忘れないようにしよう。
【申請書の郵送先】
〒460-8508
名古屋市中区三の丸三丁目1番1号
名古屋市保健所健康部環境薬務課環境衛生係
【同封するもの2通】
①改葬許可申請書
②切手の貼った返信用封筒
4.改葬許可証を受理すれば、手続きは完了です!
申請してから、発行されるまで時間がかかります。
郵送されてきた改葬許可証は、遺骨を移す先の墓地・納骨堂の管理者に提出しましょう。
5.改葬許可証の他に工事申請書が必要な墓地(霊園)があります。
八事霊園やみどりケ丘公園など、改葬許可証の他に工事申請書が必要な墓地(霊園)があります。施工業者(次章)から記入を求められます。区画番号など、必要事項を記入し施工業者にお渡しください。
名古屋市の改葬についての相談窓口はこちら
ご不明な点がございましたら、墓地・納骨堂の所在する区の保健センターにご相談ください。
②閉眼供養
遺骨を取り出す際にお経をあげてもらうことです。魂抜きとも言われます。
③御遺骨取り出し
遺骨を取り出します。取り出した遺骨を新しい納骨場所(①-1で受入証明書を発行した場所)に入れる。入れるまで遺骨は大切に保管してください。
また墓じまいの後に海洋散骨(海洋葬)を利用される方が年々増えています。弊社で心を込めてお手伝いしています。お気軽にご相談ください。
④墓石撤去
墓石を撤去し、お墓を更地に戻して管理者に返還します。
⑤完了
整地した場所を管理人に確認をしていただき、すべての工程が終了。
墓じまいで墓石を撤去するとき費用は何が含まれるの?
墓じまいで墓石を撤去する費用には、墓石の数・墓石の大きさ・墓地区画の広さによって異なります。
墓じまいで墓石を撤去するの費用には、このようなものが含まれます。
- 墓石を撤去する作業費
- 墓石を処分する処分費
- 墓地区画を更地し返還する整地費
- 交通費
- クレーンなど重機が入らない場所は手作業になるので人件費が余分にかかる場合がある。
墓じまいで墓石を撤去する費用は下の写真のような一般的なお墓で1㎡辺り10~20万円くらいになります。
※一番下の土台部分をどこまで解体し整地するか(③)で金額の幅が出てきます。この場合、お寺さんなど墓地の管理者に「どの状態で返還したらよいですか?」と確認すると指示を得ることができます。
墓じまいで墓石を撤去する時、特に費用がかかる項目は、墓地区画の広さが関係しています。墓地区画が広いと撤去する墓石の他に、墓地区画内の残土も撤去しなげればなりません。そうすると必然的に処分費が加算されることになります。処分費は基本的に重量で金額が決まってくるためです。それに撤去後の整地にも広さ分の費用がかかるからです。
下記の写真のように墓石は一般的な大きさですが、墓地区画の面積が広い場合は費用が加算される場合があります。また外枠を囲っている石も重量が加算されていく項目になります。
墓じまいで墓石を撤去する費用を抑えたい場合
墓石を撤去する費用を抑えるポイントは複数の店から相見積もりを取ることです。お墓を建てるのは専門技術のある石材店に依頼するしかありませんが、解体は土木業者や大きな庭石を扱う植木屋さんなども行っています。多少、時間と手間がかかりますが相見積もりを取ることでだんだん墓石を撤去する費用がわかってくきます。
ただし、注意点としてお墓の取り扱いに慣れているかどうかも選ぶポイントに入れておくといいです。墓じまいで墓石を撤去する費用以外にも、実績や墓石をどのように処分するのかも選択基準に入れておきましょう。ただ「安いから」という理由で選んでしまうと業者によっては墓石を雑に扱われたり、不法投棄されたりするケースもあるようです。先祖代々受け継がれてきたお墓なので墓じまいするとはいえ、最後まできちんと扱いですね。
弊社では他店のお見積りを比較させていただき適正な費用を出しています。お気軽にご相談ください。
まとめ
①墓じまい=墓石の撤去ではない。
墓石の撤去後、遺骨の新たな供養までが墓じまいである。
②遺骨の移設先を決める。
自身のライフスタイルによって永代供養、又は散骨か決める。
③墓石の撤去費用には下記の項目が考慮される。
・墓石を撤去する作業費
・墓石を処分する処分費
・墓地区画を更地し返還する整地費
・交通費
・クレーンなど重機が入らない場所は手作業になるので人件費が余分にかかる場合がある。
費用は、墓石の数・墓石の大きさ・墓地区画の広さ・立地条件によって、異なってきます。お墓の現状を把握を把握した上で、ご相談してみてください。その時に、お墓の写真があると話がスムーズに進むと思います。
弊社では他店のお見積りを比較させていただき適正な費用を出しています。
お気軽にご相談くださいね。